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トップインタビュー

トップインタビュー

兜s二越様の『会社概況 2000.1月 Vol.5』に当社の吉岡会長(元社長)の記事が、掲載されましたのでご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

− 機械工具では福井の老舗ですね
 大正8年に父・幸四郎が福井市で吉岡幸商店を始めて以来、今年で創業80年になります。2代目は長男の幸一(現会長)が社長になり、三男の私で3代目になります。
 スタート時は吉岡金物店として鋼材、ボルト、ベアリングなどを扱っていました。昭和20年(1945)7月の福井空襲、23年6月の福井地震と相次ぐ災害を生き抜き、25年に株式会社吉岡幸商店に組織変更。40年に鋼材(現建材)センターを開設、44年に本社社屋完成を機に、金物屋のイメージを払拭すべく吉岡幸株式会社に社名変更しました。その後、敦賀と鯖江に支店を出し、機械工具や鋼材、管材などの在庫・加工センターをつくり、平成になって金沢と三国に営業所を開設しました。
 そういえば、私が専務時代(昭和48年)にも当時のPR誌「フジコシ」の取材を現会長と一緒に受けました。その時の掲載誌が今もとってありますよ。
吉岡会長




− 拠点を沢山お持ちですね。その営業方針は  
 全部で10ヵ所になります。昔は本社に全ての在庫を置いていたのですが、取扱い商品が多岐にわたるにつれて手狭になり、鋼材は鋼材センター、ステンレスや建材製品は建材センター、継ぎ手・バルブは管材センター、ねじ・工具などはねじセンターというように分けるようになりました。
 商社としての使命は、お客様からのオーダーに即日対応することであり、そのためには、かなりの量の在庫をもつ必要があります。事務所のみで在庫をもたない商売は当社の性に合いません。商品をお客様に即日提供し、売って、売って、売りまくる。そして、お客様には喜んで買っていただくというのが、私のモットーです。吉岡幸に行けばその日に欲しいものが手に入るという安心感と便利さをお客様に持ってもらうことが重要なのです。
 そういう意味で、昨年から土曜日の配達も始めました。今まで土曜日は隔週休みだったのですが、この厳しい状況の中で利益を確保するため、土曜日も通常通り営業して売上を増やす。そのかわり社員は順番で平日に休みをとる。単に人員を削減するよりずっと効果的なリストラになります。
 ここのところ祭日の電話も増えてきているので、昨年11月からは本社と管材センターのみ、当番で祭日にも人を出すようにしました。これはホームセンター対策でもあります。

− 取扱い商品の比率は
 鋼材5割、機械工具3割、住宅設備2割です。3つのどれが重要ということではなく、均等に力を入れています。景気が悪い分野でも、伸びる商品はあります。鋼材不況だといわれますが、時代が変わりステンレスの需要が増えてきて、配管を始め、何でもステンレスになってきました。昔はステンレスの加工が難しかったのですが、道具や技術の進歩により容易になりました。ただ商売の上では正直なところ、鉄だと3〜4年で交換するものが、ステンレスは錆びないので長持ちし、後が売れないという問題もあるのですが。

− 営業面の特長は
 一つの特色として3年もしくは4年に一度開催する「吉岡幸ゴールデンフェア」があります。当社の営業の目玉といえるイベントです。昭和57年に第1回を開催して、2000年の5月で6回目となります。これまで不二越さんにも参加して頂いておりますね。今年は「ここから始まる・・・無限の可能性。2000年ゴールデンフェア〜機械工業見本市ふくい〜」というタイトルのもと、5月20日、21日、22日の3日間、福井県産業会館での開催が決定しています。  山善の「どて市」などは有名ですが、地方の工具商でこれだけのフェアをやれるのは当社だけと自負しています。福井には産業見本市がないので、このフェアには「機械工業見本市ふくい」という名称もついています。

− フェア開催のきっかけは
 現在の鋼材センターができた時、移転で古いセンターが1ヶ月ほど空き家になるため、そこでフェアを開催しようとしたのがきっかけでした。ところが、社員から「どうせやるなら福井県産業会館を借りてやろう」という声が出て、当初計画していたよりずっと大規模な開催となりました。
 1回にかかる経費は、かなりの金額になりますが、経費の半分は、売り上げ増でまかなえます。開催の目的は商品を売ることですが、もう1つは、お客様とのダイレクトコミュニケーションにあります。3500軒もある取引先に、毎日私どもがお伺いするわけにはいきません。このフェアには取引先の社長以外にも工員さん、経理や購買など、いろいろな方が家族を連れて来てくれます。「元気ですか」、「久しぶり」といって握手し、ビールでも飲んでいってもらいます。
 わざわざお客様が足を運んでくださるこのフェアを営業活動に徹底的に活用します。皆さんには開催を期待していただき、景品も楽しみにしていただいているようです。このフェアでは工作機械から家電、スポーツ用品までよく売れます。どんな不況でも、このフェアは続けていくつもりです。

− 今度の取り組みは
 今まで拡大路線でずっときたのですが、時代の変化に呼応すべく「NEW TIP VISION 21」という活動で、お客様へのサービス向上を前提に物流拠点の見直しを行い、総合的な配送体制作りを検討しています。またコンピューターのリニューアルにも着手しています。当社の場合、業務系のみで情報系はオンラインされていません。営業の情報を瞬時にピックアップすることができず、効率的な営業活動が難しくなっています。このような点を見直して、今の人員でさらに売って、売って、売りまくり、不況に耐えられ、信頼される企業体質にしていきたいと思います。