遠藤功著 早稲田大学ビジネススクール教授/ローランド・ベルガー会長
「体格」ではなく「体質」で戦う経営
難しそうなタイトルでしたが、以外に読みやすい。
裏表紙の帯にも書いてあるのですが、「当たり前のことを当たり前のようにできる」ことが意外と難しいですよね。特に会社の中では変に力が入ってしまったり、気を使わないでいいところに気を使ってしまったりと、後になって思うことがあります。
いくつかの事例の中で、当社の取り扱いメーカであります、「サンドビック」という切削工具メーカの取り組みについて紹介がありました。数名のチームがお客様のところへ行って自社の製品だけでなく他社の製品も含め、しっかりと整理整頓清掃をして帰ってくるという取り組みをしているそうです。これはお客様にとって本当にありがたい話です。もちろん無料。たまに社員にまぎれて社長まで出向くというからすごいです。しかし、そこで得られる情報は企業にとってものすごい財産になるというわけです。何かこの点にこれからのビジネスのヒントがありそうです。
「体格」ではなく「体質」で戦う、このことはアメリカや中国などグローバル社会で荒波にさらされる企業にとって、日本企業としての繊細な感性を生かすためのキーワードのように思えます。